スラブとは、床の荷重を支える鉄筋コンクリート造の板状の版のこと。 位置によって「床スラブ」、「屋根スラブ」と呼んでいるが、一般に梁や小梁と一体化して作られています。
ひとくちにスラブと言っても、建築においてはさまざまなスラブがあります。中には多少、用語の混乱もあるようです。ここではスラブの種類を解説いたします。
・土間コンクリート
コンクリート製の床の1つ。上からの荷重のほとんどを地面が受ける構造になっています。よって、コンクリート自体に埋め込む鉄筋もスラブよりも軽微なもので済むとされています。ただし地盤の影響を受けやすく、地盤沈下が起きた場合にはコンクリートが荷重を受けきれず破損する可能性もあるとされます。
なお、土間スラブと呼ばれることがあるのですが、それは誤用と言われることもあります。
・構造スラブ
土間コンクリートと違い、柱や梁によって支えられるコンクリート製の床を構造スラブと呼びます。2階以上の床と似たつくりになるため、荷重はこの構造スラブ自体が受けます。そのため、コンクリートの中に埋め込む鉄筋は土間コンクリートより強固なものである必要があります。その分、土間コンクリートと違い、構造スラブは地盤沈下が起きても比較的影響を受けづらいとされています。
・2重スラブ
床スラブが、2重構造になっているものです。2つのスラブの間にはスペースができる事になります。このスペースに給水や排水などの配管を通すことができ、配管を露出せずに済むという役割もあります。
・フラットスラブ
梁がないスラブを、フラットスラブと呼びます。梁で支えない代わりにに、柱でのみ支持する構造です。梁が無いことで天井を高くすることができ、開放的な空間の演出に役立ちます。また、大きな窓をつくることができる点も特徴の1つです。
しかし耐久性において気を付けなくてはいけない点があるとされています。柱でのみ支えられているため、衝撃が柱とスラブの接触する狭い1点に集中し、柱がスラブを突き抜ける「パンチング破壊」という壊れ方をする可能性が考えられています。
・片持ちスラブ
窓の外の庇(ひさし)やエントランスの雨除けなど、片方だけが壁に支持されているスラブです。もう片方は空間に浮いている形となります。その形状のため一般的には支持が弱く、建築において注意が必要とされるタイプのスラブです。